第6期を迎えたトップリーダー養成塾は、初回のビジョン合宿を経て第2回のワークショップを終了。順調な航海を続けています。そんな中、受講生で国際ビジネスコミュニケーションコンサルタントの栗崎由子さんが受講体験記を寄せてくれましたので、ご本人の許可を得て公開させていただきます。トップリーダー養成塾の真髄を、早くも感じ取って下さっています!
私のハラは決まった
2018年5月、私は約30年間に及ぶヨーロッパ生活を畳んで日本に戻ってきた。それはただの国際引っ越しではなかった。生き直すつもりの引っ越しだった。
私は1989 年に国際機関のポストを得て渡欧、その後多国籍企業に転職して仕事をした後、フリーランスとして独立し、異文化マネジメントの研修やコンサルを提供していた。その間ずっと日本や日本人と離れたところで生きていた。そういう私の日本帰国には、それなりの理由があった。
日本に戻る前、1年ほどかけて再出発の準備をしていたのである程度の人脈はあった。しかし帰国して仕事はすぐにはない。家や荷物が片付くにつれて、私の迷いや焦りは増していった。何を手がかりに仕事を創るか、どこに行って誰に会えば良いのか、自分の「売り」はなにか――。煩悶しながら迷走を始めていた。
そういうときにこの合宿に参加できたのは、ただの偶然とは思えなかった。
私はビジネステクニックには疎いほうだと自分では思う。トップリーダー養成塾は、プロとして尊敬し信頼するまつかつさんの主宰する好評の塾だが、実を言うと心配はあった。ビジネスセンスのない私に付いていけるだろうか、違和感を感じて一人でぽつんとしないだろうか――。それは杞憂だったと、冒頭のユニークな自己紹介で直ぐに気付いた。その時、トップリーダー養成塾の根本思想が自分なりにピンと来たのだ。それを私なりに解釈すると、こういうことだ。
一、人は皆自分が実現したい何かを持っており、それを本来持っている命のチカラで実現することが出来る
二、一つ一つの課題を丁寧に行なっていけば、誰でも自分のビジョンを言語化でき、実現する道筋が時間軸と共に描けるようになる
三、あとは大量行動あるのみ
こんなビジネスセミナーがあってもいい!ということが私には嬉しかった。無理して消化できないノウハウを飲み込むような場所ではないということが、すぐに体得できた。
ここで私のすべきことは、この場を信頼し、迷いや怖れを脇に置いてトップリーダー養成塾に本気で飛び込むことだと思った。そうしないと成果が得られない。それはあまりにも勿体ないではないか!
私のハラは決まった。
カラフルなマインドマップは効果絶大
合宿の二日間に様々な演習を行った。多種のテンプレートやツールが用いられた。それらは平易に見えて、実は考え抜かれていた。演習の方法や問いかけは違っても、各人が心の底をじっくり覗きトコトン言語にして外に出すためのプロセスとして、入念に設計されていた。
私にとって特に効き目のあったツールや演習は、マインドマップ、Speak & Listen、そして色彩だった。
私はマインドマップを見よう見まねで始めた。合宿中のぶっつけ本番だった。頭の中で絡まっていた思考を言葉にして、その相互関係を矢印と共に書き加えていった。これで頭の中に抱えていることが客観的に見えるようになり、またいろいろなものごとの分類整理ができた。それは同時に、行き詰まって、モヤモヤと絡まっていた色々な思いや感情が解きほぐされて行くプロセスでもあった。
Speak & Listenも効き目が大きかった。
これは二人一組になって、与えられたテーマについて一人が1分話す、続いて今度は相方が30秒でその感想を述べる(フィードバック)というものだ。例えば、自分のビジョンマップを1分間で説明し、聴き手はそれについて30秒で感想を述べる、というように行う。
脳は何か質問が与えられると、自動的に答えを探し始めるように出来ているという。
Speak & Listenでもまさにその作用が脳に働く。さらに、時間が1分しかないからもの凄い集中力が働く。
何度かこの演習を繰り返して気がついた。私が1日かかって頭を捻って出す答えと,1−2分間ぎゅうと集中して考えて出す答えとは、ほとんど変わらないのではないか?持ち時間が1分間だと考えるヒマがない。迷う時間の隙間がない。良いことを言おうとして言葉を選ぶヒマがない。ほとんど口から出任せを言っているような気になる。
しかし、これこそ本当の自分の出てくる場面なのだ。それが自分なのだ。表現は荒削りかもしれない。しかしそれは私の本心だ。頭の中にないことは言葉になって出て来たりはしない。
色彩も、演習の重要なツールだった。
演習では、多様な色彩が使われた。ビジョンマップ、理想状態とそこへのステップなど、多彩なツールに自分の考えを落とし込んで行ったが、そこに表現手段として言葉だけでなく色彩が多用された。むしろ、色を使って表現することが奨励されたぐらいだった。
次々に色を塗っていて気がついた。色や色鉛筆のタッチは私の心だ。心が色彩になって紙面に出てくる。幼稚園児の昔に帰って、心が解放されていくようだった。
このように見てくると、まつかつさんの繰り出すツールはどれもとてもアナログだということに気付く。自分であれ他人であれ、人の心に向き合うことは思考と感性をフル回転させる作業だ。その作業はとても複雑で一見論理的ではない。だからこそ、心の底にアンテナを伸ばし、それを自分に見える形にして取り出すためには、アナログな方法論が適していると思った。
それが言葉になり始めた
合宿の2日目、こんなことが起きた。
私にはある場所で思考が止まり、それ以上先に行かない点があった。思考の壁というのだろうか。1日目に自分の理想をイメージして抽象画のような絵を描いた。私はそれに「解放される暖かなエネルギー、Release」というタイトルを付けた。ここまでは色々な機会に私一人でもできたことだった。
しかしその抽象化された絵を、どうやって言葉に代えていくのか?そこでいつも行き詰まっていた。
演習を重ね、頭と心に渦巻く想念、迷い、道筋などが整理されたのだろうか、2日目になってそれが解きほぐされ、言葉になって出てくるではないか!これは驚きだった。丁寧にプロセスを辿るとここまでできるのか!
それはまだ完成されたプロセスではない。更に心の底と対話しながら、気持ちを言葉にして行きたいと思う。けれども、その時私はこの塾に本気で飛び込めばきっと何かを掴めると思った。
トップリーダー養成塾をお勧めする人
私の経験から、トップリーダー養成塾をこんな方にお勧めします。
- なにか行き詰まり感のある人
- なにかの限界を越えたいがどうしていいかわからない人
- 本気で自分と向き合って生き方を考え直したい人
- 本当の自分と共に生きようと思う人
- 自分の課の人々が生き生きと仕事するようリードしたい人
追記:まつかつさんのトップリーダー養成塾には、塾を既に修了した人々がサポーターとして参加者に伴走するシステムがある。
このサポーターの方々には合宿中には随分助けられた。大変ユニークで効果のある研修の一つの方法と思うので、サポーターについてはまた別の機会に書きたい。