reported by M.A
・イントロダクション
6月27日、初夏の日差しが見え始めた頃、図形に焦点をしぼり、深い学びをしていこうという「メタ企画塾アドバンス【図形編】」の第2回が開催されました。
みなさん涼しげな格好で、笑い声がこぼれる中、まずはʻ恒例のGood&Newから始まりました。ごく最近にあった良いことや発見を順々に話し、共有していくこの時間。自分のモチベーションを高めるひとときでもあり、みなさんの笑顔に触れられる時間でもあります。些細なことから大切な記念日まで。喜びを共有できるのは、とても幸せなことですよね。
「この場に来られたことが良かったこと」という真吾さんの言葉はもしかしたら、みなさんに共通することだったかもしれません。「良い学びの“場”になるんだろうな」という続く言葉も…。
続いて、まつかつさんから今回のアウトラインが示されました。
第2回は、前回選び、読んできた書籍の内容と、得られたものを発表して共有しようというもの。
あらかじめ目的が分かっていれば、自ずと焦点が当てやすくなり、より集中できる。質の良い学びは、最初の一歩から始まっているのですね。それもマップを使って説明されるので、一層分かりやすく、みなさんの顔つきもスッと引き締まります。
また、発表に移る前に、各自のゴール設定など振り返ります。さらに焦点をしぼりこむと同時に、自分の成果を確認します。
この一月ほどの時間を客観的に見直すことで、より深い理解が得られ、課題や新しい発見が出てくることもあるでしょう。“わかったつもり”を防ぐ、大事な時間ですね。
当然、これも共有します。実績、成果、「!」(気づき)、さらに、という四本の枝を伸ばしたマップを使って行われたディスカッションは、具体的な成果から、思いのほか深いところまで話が及びました。
思わず話に熱が入ってしまい、グループ全員に回せなかったなんてことも。
そうして上がってきたのは、チームでゴールを設定する際、図形の力を目の当たりにしたり、試行錯誤を繰り返しているうちに、明確なゴールへの道を見つけたという話や、取り組みを活用して仕事で実際に成果を上げた話。
図形のジレンマ、分かりやすさのジレンマ、なんて言葉も飛び出しましたね。
もちろん、課題も上がってきました。しかしそれは決して失敗などではなく、TEFCAS(≒成功のイメージからスタートする試行錯誤の手法)の途中というだけ。
あるいは、仲間からもたらされた意外な気づきで、その壁を突破できるのかもしれません。
そう考えると、課題というのも障害というよりやはりひとつのイベントで、むしろわくわくしてしまいますね。
・発表
さて、いよいよ発表の時間です。
まずは基礎的なところから、ということでトップバッターは千明さん。『ノート・手帳・企画書に使える!図解表現の基本の基本』という本をお勧めしてくださいました。
基本形をたった4つに分類し、それを手帳やホワイトボードなど場面ごとに使い分けていくというもの。
まさに基礎。図形思考の土台のひとつに出来そうな内容で、発表も簡潔で分かりやすいものでした。
千明さん自身も、頭の瞬発力をつけられたら、と新しい目標が見定められたようですね。
また、質問から、著者の意図も読み取るべきという参加者全員の課題も見つかり、一番手として相応しい発表だったのではないでしょうか。
次に真吾さんの『図形で考える技術が身につくトレーニング30』。
2章以降は問題形式なので、1章の「図解の基本を学ぼう」を読み解いてくださいました。
全体像を瞬時に深く捉えることができるという図形の利点から、ツールとしての図形、具体的な実践方法までシンプルに伝えてくださいました。
千明さんの発表と共感するところも多かったり、今までの学びともつながるところもあったようです。
塾生同士の共通言語を使って説明してくれさったので、とても分かりやすかったのではないでしょうか。
高橋さんは『4日で使える実践1超ビジュアルシンキング』と『定理と法則105』という二冊の本から。
なんと手書きで内容をまとめたマップを作ってくださいました。
前者では、他人を惹きつける絵と実践的な図の使い方という目的に適ったものを見事に抽出。
後者ではあえて視点を変えて、どのような図形で説明されているのかを分析されていました。
そこから、一目瞭然にするには図解が必要だった、という結論に至ったようです。
さらには偶然見つけた本から、右脳と左脳から来る見やすいページ構成にまで言及されたうえ、自分なりに図形を何枚分も描いて、取り入れたものをどんどんアウトプットされていて、そのやり方にまでみなさん感心することしきりでした。
休憩を挟み、平野さんの発表。『たのしいインフォグラフィック入門』という本の内容を実践したら、というものを一枚のイラストで表現してくださいました。
細かく解析した内容をかみ砕き、分かりやすく提示してくださり、今後実践すると良さそうなワークも紹介してくださり、なにより平野さん自身が楽しそうなのがとても印象的でした。
みなさんの記憶にもしっかりと残る発表だったのではないでしょうか。早速、図形の長所を活かしてらっしゃいますね。
続いては太田さん。『考えをまとめる.伝える技術』という本を選んだそうですが、読み進めていくうちに、またみなさんの発表を聞くうちに、参考にするには良いが自分の目的には合致しないということに気づかれたそうです。
どうしたら活かせるかという議論から、自分のゴールと、自分が主体であることを再認識した太田さん。
発表とフィードバックという共有がなければ、この気づきもなかったかもしれません。この“場”によることの重要性というものが感じられますね。
最後の発表は、小棚木さん。選んだ4冊の中から1冊『チャートで考え伝える技術一コンサルタントがその秘訣を明かす(実務入門)』を紹介してくださいました。
読み進めていくうちに、コミュニケーションというキーワードを見つめ直し、それは相手(または自分自身)をコントロールすることではなく一緒に目的に向かうことなのだ、と気づかれたそうです。
この気づき、企画塾という安心安全の“場”のことを考える本当によく共感できると思います。手綱でもなく綱引きでもなく、一緒に大縄跳びをするようなイメージでしょうか。
それも誰でも跳べるようになる「まつかつメソッド」があるので、もっと跳んでいたくなる。そんな楽しく学べる素晴らしい“場”であることが再確認できたのではないでしょうか
・発表の深掘り
発表が終わったところで、それぞれの気づきを振り返ります。発表して終わり-ではありません。
きちんと傭I敵して確認して、“わかったつもり”を防ぐ大切な時間。本当に学びを身につけるためには、インプットだけでなくアウトプットも大事だということはまつかつメソッドの基本の基本ですよね。
短い時間の中、みなさん思いを巡らせながら筆を走らせます。
アウトプットというならば、他の人に語って聞かせるというのも効果的。Speak&Listenなら共有もできるので、相乗効果が望めます。共感があり、気づきがあり、この時間があったから考えがまとまったという方もいらっしゃったのではないでしょうか。
飽和気味だった空気がきゅっと引き締まるような雰囲気があったように思います。
それをさらに全体で共有することで、図形というテーマを全員で深掘りしていきます。
場面ごとで活かせるツールとしてだけでなく、図形思考というものの本質やプロセスを探っていったり、図形思考そのものを会得する、その文章化といった方向性。あるいは塾生の共通言語であるマインドマップとの関係性。抽象度は高いですが、その分汎用性も非常に高い取り組みですよね。
逆に、目的別に図解したい具体的なテーマをリストアップするという話も出ました。「メタ企画塾」を図解する、なんていうのも面白そうですよね。
最後のひと踏ん張りとばかりに搾り出されたアイディアは、それだけにどれも良質なものでした。
まつかつさんも仰っていたように、何冊もの図形に関する書籍を読み解き、共有してきましたが、上のような企画塾として目指すテーマとぴったり合致する本はありませんでした。
どこかに答えはあるとしても、その地図は存在しないのです。
けれど、逆に言えば、みんなで作り上げてしまえばいい。「そんなの無理だ!」なんて言う人は塾生のみなさんの中にはきっといませんよね。
今日、発表というひとつの結論を持ち出してきたのにも関わらず、また新しい気づきがあったのです。可能性は無限大に広がっているのです。誰よりもみなさんがそれを実感していると思います。
・今後
この日すべきことに一段落が付き、話は今後のことに移りました。
それぞれ確認した目標へ向けて取り組むのはもちろん、その際、どうやって図解に習熟していったかという上達のプロセスにも着目することになりました。
伸び悩んだ人は上手くいった人のものを参考に、上手くいった人も自分のことを客観視して分析できる。次回、共有するのが楽しみなテーマですね。
また次回に向けて、全員共通のHOME PLAYというのも用意されることになりました。
毎週ひとつ、各自の書籍にあるワークの中から選んで、取り組んでみる。同じ問題だからこそ、それぞれの思考の差が出るので、新しい気づきがありそうです。
大変だけど、あった方が絶対にいい、なんて声も上がりました。
また今後の展開として、全4回の講座が終了したのち、なんらかの形に残したいという構想もまつかつさんから明かされました。
イメージとしては、読んだ人が全体像を理解できるダイジェストのようなもの。たとえば「図形について学んで、こんなことが出来るようになった」というような具体的な成果を載せられると分かりやすいですよね。
本講座を受けていない方はもちろん、受講者のみなさんにも嬉しいものになるのではないでしょうか。わくわくした方も少なくなかったと思います。
そして、締めには恒例のアンケート。気づきと感想を書き、それを今回は全員でお互いのアンケートに目を通してみました。
ここでも思考の差が出て、様々な気づきがあって、最後の最後になってこの日一番わいわいとしていたかもしれません。
メタ企画塾アドバンス【図形編】第二回。始まりから終わりまで、学びに溢れた密度の濃い、充実した“場”であり、時間でした。絵で表したなら、きっと笑顔とエネルギーに満ちた上昇気流が描かれるのではないでしょうか。