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【中編】ストレングスファインダーで課題解決!今、組織で求められていること

ストレングスファインダー

前回はGALLUP認定ストレングスコーチである下家千明氏(以下、下家氏)にストレングスファインダーとは何か、下家氏とストレングスファインダーとの出逢い、そしてその後の変化についてお話を伺いました。

前編はこちら→ストレングスコーチが語る!ストレングスファインダーの魅力

 

ストレングスファインダーの第一段階は、個人が自分の才能(ここでは無意識の思考・行動・感情)を自覚することです。それにより、強みのもとがわかり、生産的に活用することで、パフォーマンスの向上につながります。さらに、ストレングスファインダーを活かせる範囲は、個人に留まりません。組織が抱えている課題解決にも大変有効なのです。

今回は中編として、組織の課題に対するストレングスファインダーのアプローチ、株式会社かたちえにおけるストレングスファインダーの位置づけ、今後ストレングスファインダーを通して創り出したい世界について、下家氏にお話を伺いました。

第一章 組織の課題に対するストレングスファインダーのアプローチ

今、組織ではどのような課題があって、ストレングスファインダーが求められているのですか?

一つは、「職場のニーズが変化」が挙げられます。

2017年のGALLUP社の調査で、40代後半~50代の今のマネジメント層と、25歳~40歳位のミレニアル世代とでは職場に対する価値観が大きく異なるという結果が出ています。

これまでの価値観では、給料は高いほうが良く、大事なのは仕事の満足度で、職場では上司の言うことが絶対でした。年に一回の評価で給与が決まり、課題を見つけて克服し弱みをつぶすことも重要視されていました。「仕事=人生」のような考え方だったのです。

しかし、今の若い人たちは違います。働く上で最も重要なのは、働く目的や自分の成長です。また、上司はボスというよりは、時にはサポートもしてくれるコーチのような存在であってほしいと思っています。そして、評価も年に一回だけではなくて、1on1などの継続的な会話を求めています。さらに、弱みを克服するというより、強みを伸ばしていくことに焦点を当てていきたいとも考えられています。「仕事=人生」ではなく「人生の中に仕事がある」という位置づけで、ワークライフバランスも大きなテーマになっているのです。

このように働く人の価値観が変化している中で、職場のニーズは明らかに変わってきています。そこで、マネジメント層は今までのやり方で良いのか?と問われているのです。GALLUP社は“Boss to Coach”(ボスからコーチになろう)と提唱しています。

そんな新しいマネジメントをするためには、まずはマネジメント層が自らのマネジメントスタイルを知る自己理解と、部下のことを知る他者理解が欠かせません。そのためのツールとして、ストレングスファインダーが効果的だと考えています。

二つ目は、多様性を認め合う社会になってきているからです。ダイバーシティ&インクルージョンという考えも一般的な取り組みになってきました。

昨今、働き方改革でさまざまな働き方が登場して、シニア層も活躍する時代になりました。2030年には「5つの世代が一緒に働く時代がくる」とも言われています。今後、ますます多様性にあふれた社会になるでしょう。

組織もこの多様性を活かそうとするなかで、まずはお互いを認め合うことが必要になります。では、どのように認め合うかと考えた時に、相手がどのような考えをしていて、何を思っているかを知るのは、難しいですよね。対話をすればわかる面もありますが、それでは膨大な時間がかかります。そんな時に、ストレングスファインダーは大変便利です。ストレングスファインダーが相互理解のツールとなって、効率的にお互いの違いが明確にわかるのです。

 

組織でストレングスファインダーを導入した場合、結果はオープンにするのですか?

そうですね。それと同時に自己開示も必要だと思います。上司と部下、メンバー同士、お互いに結果を共有してこそ、大きなメリットが得られます。

組織においては「心理的安全性」が重要だと言われます。優秀な人が集まったチームよりも、心理的安全性の高いチームの方が大きな成果が出たということも知られています。お互いを知ることのできるストレングスファインダーは組織の心理的安全性を築くのにも有効です。

さらに今、従業員の組織へのエンゲージメントを高めることも大きな課題の一つとなっています。このエンゲージメントを高めていくためには、職場の心理的安全性を高めることや人間関係を円滑にするなど、さまざまな角度からのアプローチが考えられます。ストレングスファインダーはそれらのアプローチの一部としても活用できると思います。

それから、上司が部下の資質を知るだけではなく、部下も上司の資質がわかっていると、とても楽になります。上司の特徴や傾向がわかると、部下からもサポートがしやすいと思いませんか?チームで成果を出すためには、上司だけが頑張っても大変ですし、メンバーだけが頑張っても疲弊します。全員でパフォーマンスをあげていくことが必要なのです。

ですから上司は、人によっては弱みを見せることになったとしても、時には自らの資質をオープンにして、部下にサポートしてもらいやすくすることが、チームのメンバーとして大切だと思います。

 

第二章 株式会社かたちえとストレングスファインダー

株式会社かたちえのサービスにおいて、ストレングスファインダーはどのような位置づけで活用されていますか?

弊社かたちえのビジョンは「ちえ(智慧)があふれ かち(価値)をうみだし 笑顔が拡がる社会を創る」というものです。我々はコンサルティング、そして共創パートナーとして、お客様と一緒に未来を創っていきます。そのためには「未来の創り方のアプローチ」と「事実を把握して寄り添うアプローチ」の二つを実践しています。ストレングスファインダーは後者で、事実を把握する領域で使っています。

お客様はご自分たちの状況が見えているようで、実は見えていません。我々には外部だからこその視点があります。そこで、我々がフィードバックをすることで、お客様が事実を把握できるようサポートしています。具体的には自己理解、相互理解、エンゲージメント、パフォーマンスに向かわせるための取り組みの一部ツールとして、ストレングスファインダーを活用しています。

 

第三章 ストレングスファインダーを活用したこれからのビジョン

今後、ストレングスファインダーを通して、どのような世界を創り出したいですか?

一人ひとりに、組織の中でだれもが貢献しているという実感を持ってもらいたいと思っています。それぞれがパフォーマンスを最大限発揮できるような環境を作り出したいのです。

私は、人は誰もが成長できる可能性を持っていると信じています。そして、成長を自分で実感できることがとても重要であるとも思っています。自分の資質を自覚して強みにすることで、高いパフォーマンスを発揮できるようになり、それが成長につながっていきます。そして、それは必ず仲間や組織、社会への貢献にもつながります。貢献できれば嬉しいですし、すごく楽しいと思うのです。働くということは本来楽しいことだよ、と伝えていきたいです。

そうすれば、みんなが笑顔になり、エンゲージメントも高まり、組織も活性化し、成果が出ますよね。イキイキと働く個人が、お互いの価値を共有し、認め合えながら働く社会を創ることが我々のビジョンです

 

まとめ

新しい職場ニーズに合ったマネジメントや、多様性を活かした組織づくりのためには、自己理解、他者理解、相互理解は欠かせません。また、それぞれの理解が深まることで、一人ひとりが強みを活かして働き、互いを認め合う組織になれば、自然とエンゲージメントも高まります。そこから組織の成長、生産性の向上、業績アップというプラスのサイクルに入ることができるでしょう。

ストレングスファインダーは組織の抱える多くの課題の根本から解決する大変有効なツールです。理想の組織を目指して、今こそストレングスファインダーを導入しませんか

 

前編はこちら→ ストレングスコーチが語る!ストレングスファインダーの魅力

中編はこちら→ ストレングスファインダーで課題解決!今、組織で求められていること ←本記事

後編はこちら→ マネジメント、チームビルディングに!組織で活かすストレングスファインダー


 

執筆/勝村彩子