今回は、セルフリーダーシップ養成塾9期生で税理士事務所代表の雨宮 敦子さん(通称:あこさん)です。
税理士として現在独立3年目。二人の子どもを育てながらの独立後、今後の方向性を見失っていたところから、どのような経緯で塾に参加し、半年間の学びの中で何を得られたのでしょうか。(聞き手:いろはこ運営事務局 田島洋子)
不安で押しつぶされそうな状態
税理士として開業2年目を迎えた昨年、今後どうしていけばいいのか不安を抱いていたあこさん。
不安を解消するためにビジネスコンサル塾に入るも、そこでの課題ができない、成果が出せないことから、不安はさらに加速して追い詰められていったそうです。
そんな時に、以前習ったマインドマップを書いてみたところ、現状の整理ができて「マインドマップってやっぱりいいな」と思ったタイミングで、いろはこ主催のマインドマップ2日間基礎講座に参加することになり、塾長(まつかつさん)と再会。
悩んでいることを塾長に聞いてもらい、最後の砦と思ってセルフリーダーシップ養成塾に参加を決められたとのこと。
その会話の中で、塾長からビジネスコンサル塾に入ったことも「失敗ではない。失敗なんてひとつもないよ」と言われたことも大きかったようで、不安のドツボにはまっていたあこさんのことを受け入れてくれた、という安心感があったようです。
これまで自分がやってきたことを承認できていなかったあこさんの、観点が変わり始めるきっかけとなった出来事だったのかもしれません。
時間のとらえ方が変わった
ただただTVを観て時間を費やしたり、あるいは休日に何もせずにダラダラと時間を過ごしてしまう、といった行動に対して、「あー、またやってしまった・・」と意味もなく罪悪感を感じていたというあこさんが、入塾されてどんなふうに変化していったのでしょうか。
<変化>
1.ただ単にスケジュールを落とし込むだけだったウィークリーマップをとにかく書き続けた結果、ウィークリーマップを基に一週間の振り返りを四つの領域(『7つの習慣』スティーブン・R・コヴィー著 「時間管理のマトリクス」の四つの領域)に書き分けるようになり、自分の時間を見つめなおせるようになった。
2.次第にウィークリーマップからプロジェクトマップや緊張構造チャート、ビジョンマップへのつながりが見えてくるようになり、ウィークリーマップが簡素化していった。
3.成果として、一週間をデザインする感覚が持てるようになり、今ではウィークリーマップを書かないと落ち着かない状態になっている。
4.TVを観たり、休日に何もせずにダラダラする時間も、自分にとって必要な時間であり、何も罪悪感を感じる必要などない、それも自分の時間だと受け入れられるようになった。
そんなあこさんの変化を見てくださっていた方がいらしたようで、「経営のことを相談している方から『だいぶ変わったよね』と言われたのは嬉しかったですね」。
『以前は後ろ向きでネガティブに考えがちだったのが、未来に向かってどうするか、みたいな相談が増えたね。』と。そういう変化が、周りへの影響、子どもたちへの影響も違ってきたのかな、と思います」
あこさんの熱意と行動力が仲間に”伝染” その名も「アコフライエフェクト」
塾の最終発表前に、塾の仲間に呼びかけて、ご自身の総まとめの発表を聞いてもらう機会を設けたあこさん。参加してくれた仲間からのフィードバックでその後の行動を加速することができ、仲間ともいろいろな気づきを共有することができました。さらに、参加した仲間からも、あこさんの行動をきっかけに自分の行動を加速することができたとの声があり、あこさんの影響力は広がっていきました。
まさにバタフライエフェクトならぬ『アコフライエフェクト』と言われるようになった所以です。
あこさんにとっては、自分のことを話す機会を創ることができ、そこから得られた自信は、今までにない体験だったそうです。
「もともと人とかかわることが苦手なうえに、以前の職場で失敗したことに烙印を押された体験から、独立してひとりで仕事をすることに必要以上に重圧を感じて、押しつぶされそうでした。自分で自分を鎖でがんじがらめにしていた状態から、『失敗』はなくて、失敗してもそれをどうフォローするか、分析して次に生かすか、が大事。失敗してすべてが終わるわけではない、そんなところへ行けたときに楽になった」と言われていました。
6カ月間一緒に学んできた仲間との、安心安全な「場」も実感されたようです。
相手の答えを導かない
塾での15分コーチングで、「相手の答えを導かない、アドバイスしない」と学び、「大学受験を控えた息子の想いを歪めてしまっているんじゃないか、息子の想いと違うところに自分が導いてしまっているんじゃないか」と不安を覚えたあこさんは、息子さんがどんな目標をもってどんなゴールを見据えているのかをあらためて共有する時間を持って、そこで親としての想いを素直に伝えることも意識されました。
対話を重ねていくうちに、「息子がどう決断するかは息子に委ね、手放して信頼してみよう」と決めて、そのことを息子さんにも伝えたそうです。息子さんが本心を話せるような安心安全な場を提供したいと思っている自分にも気づき、さらに親子関係も変化していきます。
専業主婦からシングルマザーになり、手に職をつけて2人の子どもたちを守っていきたいという気持ちから税理士を目指し、がむしゃらにやってきたことが自分の原動力であり存在意義だと思っていたある日、知人から「それって子どもにとってすごく重いよね」と言われ、そこから「自分が頑張ることは子どものためによくないことなのか?」と不安に思いはじめたそうです。
塾での取り組みを重ねていくうちに、やはりそこが一番大事で自分の一番の原動力であるのに、それを無理やり押し込めていたことがより不安をあおっていたのではないか、と気づきます。
自信をもっていい、と思えるようになったことで、これまで以上に税理士という仕事に誇りをもって真摯に取り組み続けていこうと、気持ちに変化が起こります。
「自分との対話や問いかけを続けてきて、自分の自信を取り戻せた」と話すあこさんの笑顔は、堂々として輝いています。
セルフリーダーシップ養成塾は「壮大な人生の振り返りの場」
「あこさんにとってセルフリーダーシップ養成塾とは何でしたか?」という問いに対して、「壮大な人生の振り返りができ、自分が今いる証、存在意義が何か、自分とは何か、をじっくり考える場だった」と答えてくれたあこさん。「小手先の問題解決ではなくて、本質的なところで変われるところ。」とも。
対処療法的なことではなく、気持ちのありようだったり、いろいろなことに対応できる「自分」になれた。それがすごく大きかったです。
時間や置かれている状況は何一つ変わっていないのに、こんなに変わるのか!と感じています。
以前のように「あぁーー!どうしよう、どうしよう!」という焦りはなくなり、時々不安は出てくるものの、立ち止まって考えられるようになりました。以前は考えれば考えるほど、どんどん悪い方向にはまり、もがけばもがくほど深みにはまっていったけれど、それは今はほとんどなくなりました。
塾を卒業して、今そのフォローアップのためのスパイラルアップコミュニティで学びを継続していますが、やり続ければ進化していけることを感じています。
いろんなことが繋がって吸収されていく感覚がものすごくあります。
自分だけでやっていたら多分、この感覚はないんだろうな、と思います。
これからについては、「今を積み重ねて何が見えてくるのか、何がしたいのかを探している状態です。それも含めて、今やるべきことや仕事を大切に積み重ねていきたいと思っています」と話しています。
<インタビューを終えて>
仕事面で精神的に不安定だったところから、今はグランディングして、地に足がついた力強いあこさんが出現していました。
力強く、それでいて自由に飛び回れる印象です。
何かあれば自分と対話して答えを出す。ありのままの自分をさらけ出して考えていることを伝え、相談できるお子様との関係性が、より近しく、家族として一体感を持たれているようにお見受けしました。これから先に何が現れるのか、自分が何をするのか、にワクワクして楽しまれているあこさんに限りない可能性と魅力を感じた時間でした。