高橋一郎さん(ニックネームは”イッチー”)は、ビルの冷暖房設備や給排水設備など水回りの設備の施工、管理を行う会社に勤務している。入社以来、現場監督から材料調達、コスト管理と様々な分野を経験してきた。
今の仕事には満足しているという高橋さん。半年間続くトップリーダー養成塾や単発のマインドマップ講座など、旧Matsukatsu時代からいろいろな講座を熱心に支援してきた。その間、高橋さんの住まいは大阪から名古屋へと移ったが、サラリーマンが週末を使って頻繁に東京に来るのは容易ではないはず。その熱意はどこから来るのか?高橋さんにとって、松岡克政(まつかつ)やトップリーダー養成塾OBのコミュニティーとはどのようなものなのだろうか?
憧れの!?まつかつに近づきたい
高橋さんがトップリーダー養成塾と出会うきっかけは、マインドマップだった。 マインドマップに関心があった頃、知人の紹介で彼らが主催する講座に参加。そこで、イ ンストラクターでもある下家と知り合った。 その後、マインドマップにすっかりなじんできたため、下家のマインドマップの師でもあ るまつかつのセミナーにいくつか参加するようになった高橋さん。
といっても、トップリーダー養成塾(当時の名称は「企画塾」)にすぐに飛び込んだわけではなかった。
確かに自分はマインドマップを自己変革に結び付けたかったし、「16枚図」(トップリーダー養成塾生限定で提供されるMatsukatsuオリジナルのツール)を使いながら複雑な物事を巧みに解説してコンサルティングを進めるまつかつさんの姿に、「カッコいいな!」と憧れていた。それでも受講料に二の足を踏み、0期への入塾を諦めた。
その後熟考し、1期の講座に参加することにした。*ペップトークの講師資格を取得した体験から、自分への投資の大切さを知った。また、トップリーダー養成塾のような継続するセミナーは、単発セミナーよりも数倍の価値があると自分でも納得したからだ。
*米国発の、スポーツ選手を激励する短いスピーチ手法。近年、ビジネスや教育現場での活用が広がり注目されている。
仕事に不満はなかったが、ペップトークの講師資格を生かして「活躍したい」と思っていた高橋さん。そこで、成功へのプロセスを先輩コンサルのまつかつから学びたいと思い、トップリーダー養成塾に参加した。自分が活躍するために何をすべきか掴みたかったのだ。
高橋さんは、受講当時の心境をこう振り返る。
「私の考える”活躍”とは、セミナーを開く、受講者が集まる、収入が入る、自己投資の元が取れるということ。私は人にモノを教えることが好きです。人が変わっていく、その瞬間・過程を見るのが喜び。その時自分の学びが同時に深まることを感じるのです。自分を磨くためにも、本番を数多く経験してスキルを向上させたいと思ったのです」
混濁の4か月を経て、チームの素晴らしさに気づく
高橋さんはトップリーダー養成塾1期生として学び始めたが、初めの4ヶ月は混沌としていたのだそうだ。塾では何か答え・具体的方法を教えて貰えると思っていたが、繰り返されるのは自分との対話ばかり。もっともっと教えて欲しいという思い・欲求には程遠い研修のスピードにまどろっこしさを感じ、初めの4ヶ月ほどは毎回の集合研修後のアンケートに文句ばかりを書いていた。
それでも塾を辞めなかったのは、塾に集う人々がよい人たちばかりだったから。また、自分の中でも毎回積み重なっていくものがあると感じられたからだ。
ブレイクスルーは4ヶ月目の後半に起きた。
チームでの取り組みが始まったとき、仲間と何か形のあるものを築き上げる楽しさ、面白さに目覚めた。共創のプロセスは素晴らしかった。ここではチームのコミュニケーションがいつもスムーズに運ぶ。会社ではこうは行かないのに。
高橋さんにとってチームで何かする醍醐味は、互いの補完であり、喜びの増幅だという。それが「自分一人じゃない!」ということの素晴らしさで、最後の合宿はもう学園祭の前夜みたいで、何のブレーキもなく突っ走れた。与えてもらえないという当初の不満は、いつの間にか消えていた。
高橋さんはトップリーダー養成塾を終了した後、物事の優先順位を考えられるようになったという。計画と行動とが結びつくようになったのだ。塾に入る前は何事も場当たり的に行っていたという高橋さん。そのためか、ペップトークの普及活動にも効果が出ず、焦っていたことを考えると大きな変化だ。
トップリーダー養成塾で知ったTEFCASという考え方。それは、Try(やってみること)自体に価値があるというものだった。塾での様々な局面で描く「振り返りマップ」。このマップの「実績」と「成果」の枝にも、目からウロコが落ちた。思ったような成果は出なくても、何かをやったこと自体が認められるというのだ。それに気付いたとき「ホッとした」そうだ。
「自分自身」から「他者との関わり」へと変化
1期生の人々とは素晴らしい関係を築くことができ、それは今でも続いているという高橋さん。そのような素晴らしい場に参加し続けたかったので、2期にもゲストとして顔を出していた。3期にはスタッフとして関わりたかったが叶わず、もう一度塾生として再受講した。
3期の時は一度トップリーダー養成塾を経験していて余裕があったので、自分の望む形での塾生との関わり方を意識したそうだ。特に考えたのはリーダーシップ。3期生の中で、自分は兄貴のような存在であろうとした。
高橋さんの考えるリーダーとは、人々の3歩先を歩く人。エネルギーがあって率先して何かをする人だ。だから、3期では何か提出物があると、高橋さんは率先して提出し、塾生たちに刺激を与えるようにした。
3期は高橋さんにとって2度目のトップリーダー養成塾だったが、自らの変化を感じたという。マインドマップのBOI(Basic Ordering Idea、センターイメージから、最初に伸びる太い枝を指す)が洗練されてきて、テーマの核心を突けるようになった。これは大量にマップを描いたためでもあり、また自分自身の目的に対するキーワードが研ぎ澄まされて来たためでもある。
塾に取り組む姿勢も変化した。例えばビジョンで言うと、1期の時のテーマは「テイクオフ」だったが、3期では「貢献と影響」になった。自分の関心事が、自分自身から他者との関わりへと変化したのだ。
変化の理由は、「自分のあり方が明確になったから」ではないかと、高橋さんは振り返る。それは、塾の期間を通じて質の高い会話を繰り返した成果だ。Speak & Listenというワークを何度も行ったが、それは自分との対話であり(自分と向き合う)、また周りの人との対話(人の話をよく聴く)でもある。その繰り返しだった。そのワークの中で、自分のあり方に気付いたり、気付かされたりした。
トップリーダー養成塾は「港」のようなもの
3期への参加以降、塾の運営や塾生へのアドバイスなどを行う「サポーター」としてトップリーダー養成塾に関わり続けている高橋さん。平日の本業を終えて、週末に東京にやって来ることを続けるのは大変なはずだが、高橋さんには「やめられない理由」があるようだ。
「一つには、トップリーダー養成塾が私にとって港だからですね。私という船は、仕事や家庭という大海を航海します。その船が、給油やメンテナンスに時折戻って来る場所がこの塾なんですよ」
「二番目の理由は一番目に関連していて、ここには仲間がいるからです。私にとっては、その仲間たちと何かを創り上げる共創の場になっている。この仲間と過ごす時間と空間を、私はとても大切にしています」
「三番目の理由は、この塾にガッチリ関わっていると人の変化の瞬間(ターニングポイント)に関われることです。私は、人を応援することが好きです。トップリーダー養成塾には、何かを掴みたくて来ている人々のエネルギーがある。サラリーマンの自分には持っていなかった、私が異業種交流会などで感じた個人事業主のバイタリティーにも似ています。そのエネルギー・バイタリティのある人々の変化の瞬間に立ち会いたいからです」
最後に、高橋さんはトップリーダー養成塾をこんな人に勧めたいと話してくれた。
「人生を輝かせたい人には、ぜひ参加して欲しいです。勇気を出して入塾すれば、必ずやそれは人生の次の一歩を踏み出すきっかけになる。そこにはまつかつさん、千明さん、同期の塾生、そして私のようなOBサポーターがいます。塾に来れば、インプットとアウトプットの仕方が必ず変わりますよ」
「私はトップリーダー養成塾を通して自分のあり方を見つけました。塾に来る前は自分の成功に焦点を当てていましたが、今では周りの人々への貢献に焦点を当てて考えられるようになりました。私自身に起こっていた変化の瞬間(ターニングポイント)、OBサポーターとして見てきた他の塾生たちの変化--。トップリーダー養成塾は、きっとあなたのターニングポイントになるはずです」
<聞き手、執筆:栗崎由子>