セルフリーダーシップ養成塾(以下、SL塾)第8期の終了から約5か月、次の第9期の半年間がいよいよ9月25日(土)、26日(日)のVISION合宿から始まります。コロナ禍のさなかで初回のVISION合宿で対面して以降はすべてオンラインで開催、今までにない形式の中で学び、対話を積み重ねながら変化、成長した8期生の皆さんと、彼らと半年間伴走した卒塾生サポーターの方々から、卒塾後の変化や最近の心境などをお聞きする座談会を開催しました。ズバリ、皆さんにとってSL塾8期って何でしたか?(聞き手:いろはこ運営事務局・木村麻紀)
<ご参加いただいた皆さま>
(SL塾8期の皆さま)
おがさん:大手オフィス家具メーカーの研究員
いちろうさん:経営コンサルタント
こーじさん:IT関連会社の7年目社員
(SL塾卒業生サポーター)
イッチーさん(1期、3期):建築設備施工管理会社 管理職
あさちゃん(1期):施設管理・運営会社の会社員
Special Thanks to まつかつ&千明
上位概念だから節目で思い出せる
――オンラインで最終発表会を終えて以来ですが、塾での学びを改めて振り返りつつ、最近はどんな風に過ごしているかお話いただけますか?
おがさん:所属は変わっていませんが、扱うテーマが変わりました。そんな中、塾で学んだ複雑な状況を整理して俯瞰できるようになったことが役立っています。
*16 枚図は机の上に置いて時々眺めています。学んだことのエッセンスを思い出せるんですよね。仕事をしていて「どこから手付けようかな」とか「今うまくいっていないな」と思った時に眺めます。そうすると、「ああ、*TEFCASすればいいんじゃない」と我に返れたり、今どのような状況にあるか気づいたりできるのです。何か企画を考える時も、抽象と具象、今どっちを考えているのか意識するきっかけにもなります。
16枚図は上位概念なので、節目で思い出せますね。何かを考え始める時の入り口が16個ある感じでしょうか。
*16 枚図:抽象度を高めた思考と行動の原型(アーキタイプ)を16個の図で表したもの。当塾のメソッドが凝縮されている。
*TEFCAS(テフカス):Try-all,Event,Feedback,Check,Adjust,Successの頭文字を取った用語。行動しながら探求する、という当塾を象徴する行動指針
マインドマップで複雑な状況を整理して俯瞰できる
――マインドマップは活用していますか?
おがさん:会議のメモ取りに使っています。初めて参加する会議、全く知らない人たちが参加する会議では、利害関係を整理するためにニーズマップを描いています。まだそれほど習慣づいてはいませんが、アップデートしながら続けていくといいのかなと思っています。
同じ部署でも携わる領域が変わりましたが、マインドマップはこれまでと同じように道具として使っています。複雑な状況を整理して俯瞰できますし、後で参照できるのもいいですね。
――(千明)デザイナーならではのマインドマップの活用の仕方ですかね?
まつかつ:おがさんは抽象、具象双方の思考をうまくできる人。デザイナーは思考と実行を同時にしているので、抽象度の高い深い部分のことも形にできるという意味では、デザイナーならではの使い方をしているとも言えるかもしれませんね。
2週間先まで見通すスケジュールマップを独自作成
――いちろうさん、おがさんのお話を聞いて、ご自身はいかがでしたか?
いちろう:僕もそんなことやっているなあ、と共感しながら聞いていました。残るのは確かに16枚図ですね。時がたっても、当時の学びを思い出せます。
塾の期間中に自分が書いたマップも宝物です。下手なりに自分が当時どう思っていたか思い出せるので、ぜひ取っておくといいと思います。必要だと思った時、例えば新しいワークショップを企画して実施する時などに、過去の*プロジェクトマップを見ます。書ききれなかったマップも役に立つんです。僕はリスクを見落としがちになるんですけれども、そういうことを思い出せるんです。
*スケジュールマップは二週間単位で自分でフォーマット作って実験的に取り組んでいます。スケジュールマップは定着しましたね。
*プロジェクトマップ:新たな取り組みを独自の7つの観点で描くことで、取り組みへの意欲が高まり、成果につなげるためのマップです。
*スケジュールマップ:自分の時間(通常は一週間単位)をデザインするためのマップ。塾の半年間継続して取り組みます。
イッチー:私も同じようにしていますね。土・日曜が忙しく、翌週の準備を金曜日のうちにしておかないといけないと分かったのです。
翌週水曜日くらいまでのマップを描いておくと、次の一週間の準備もスムーズにできます。
千明:いっちーさん、16枚図は見てますか?
イッチー:以前ほど見なくなりましたが、それは頭の中に入ったからじゃないかなと思っています。何かを考え始めると、脳が自然と16枚図につながりに行っているのかもしれません。「好不調は波」とか、「物事はステップで進む」とか、「TEFCASでやろう!」とかね。
まつかつ:ビフォア、アフタ、アフタの視点で見てみると、何が変わったと思う?
イッチー:大きな概念、上位概念を掴めたことですかね。16枚図は抽象度が高いからこそ汎用性が利き、スムーズに取り出せるステキなツールだと思います。
デジタルと手書きの思考の差とは?
――おがさんはスケジュールマップは書いていますか?
おがさん:あまり書いていませんでしたが、お話を聞いているともっと手書きしないといけないなと思いました。検索性を重視しているので、ほとんどデジタルで書いているんですよね。
まつかつ:その人の状況もあるとは思いますが、デジタルだとエネルギーが弱めになります。デジタルだと精度が出にくくなるので、たくさん発散させて大事なポイントを明らかにしていくのがコツですね。知的創造の精神をもってやっていくことが大事。
手書きは何とかしようとするから力強くなるんです。そうすることで、物的創造がしやすくなります。
いちろうさん:手書きのほうが集中力が増しますね。知らない間に没頭する感じ。
イッチー:手書きは思考、PCは作業という違いがあると思いますね。
周りから「つまらない」と言われて…
――(ここでこーじさん登場)こーじさん、お久しぶりです!最近いかがですか?
こーじ:研修受けた後に何かをやり続けるのが苦手でしたが、マインドマップは続いています。何かを始める時にしっくり来たら作業を始めるけれども、しっくり来なかったらマップを描いて再確認してから始めています。
16枚図も活用しています。課題解決の部分などを活用させていただいています。素晴らしい機会をいただき、声をかけてくれた当時の部長にはありがとうと言いたいです。
実は4月から別部署に異動しました。頭の中を整理できていますし、やりたいことを納得感を持って発信し、新しい部署でも受け入れてもらっていると思います。やりたいことをやれていると感じています。でも…
頭でうまくいくと思って物事が進んでいるのですが、周りからつまらないと言われるんです。「もっと我を出せば?」と言われることが不思議で…。ここ1~2か月ですかね。それなりに楽しくやれているのに。どこがつまらないか考えてみたほうがいいんですかね。
――上司的な立場の皆さんから見て、いかがですか?
イッチー:周囲の期待値が上がったんじゃない?
あさちゃん:「つまらない」の定義が、こーじさんと上司で違うんじゃないかな。
こーじ:こういうことをやって欲しいんだろうな~というのは、塾のおかげでアウトプットできるようになったんですけれども、部長から言われたのは「それだけじゃないんだよな~」というニュアンスのこと。相手が求めることの先の領域があるのだろうか…という思いがしています。4月に異動して4カ月なので、まだ心理的な安全安心を作れていません。そういう状況になれば、周りから出てくる言葉を感じることができるようになるかもしれませんね。
まつかつ:ジャンプアップの時期ですね。プロジェクトマップも、一段視座を高めたところから描けるようになるといいと思います。
SL塾は本質的な協調活動
――8期は史上初のオンライン中心の学びとなりました。実際に顔を合わせたのは、最初のVISION合宿のみでした。ぶっちゃけ、いかがでしたか?
こーじ:チームで一つの発表を作ったり、良いアウトプットができました。リモートだとできないといった思考の枠から、可能性を広げることができたと思います。
おがさん:最初に会ったことって効いているんですかね?チームに分かれてから円滑だったことを考えると、意外と関係ないかもしれません。最初に会った時の話題が続いた人もいますし、一方で会っていないからと言ってギクシャクすることもありませんでしたしね。
となると、そもそも空間は要らないのか、一緒にご飯を食べるといったことは要らないのかという話になりがちですが、安心安全をいかに担保していくか、最初のマインドセットが重要なのだと感じています。
すごく曖昧な塾でしたけれども、安心安全だったのはどういうことなのか?利害のないところで自由が保障されていたのが、ある種学生時代の部活動みたいだなと感じています。
最終発表会には塾生の上司の方々も参加しましたが、あれだけ自由な形式での発表、それを見た上司も上下関係を超えてフィードバックし合うなど、本質的な協調活動でした。まがりなりにも決められたテーマを対話しながら、人生を生きる上での気づき、自分の視界が得られた半年間でした。
――どのタイミングで対面を挟み込むかがポイントかもしれませんね。
イッチー:リアルは肌感覚で親密になれるスピードは速いですよね。僕は塾のアフターも好きだし(笑)。そこでさらにざっくばらんになれる。
オンラインだとコミュニケーションの質が落ちるのかどうかは、そうでもないと思いますね。端的なコミュニケーションは、むしろリモートのほうがしやすくて、的を得たコミュニケーションになります。ただ、雑談からのコミュニケーションはやはりしにくいかな。
あさちゃん:対面とオンラインで学びに大きな差はないと思います。最終発表会を聞いてそう思いました。むしろオンラインのほうがいいんじゃない、と思う人もいるのではないでしょうか。運営は大変だったかもしれませんが、リソースが手元にあるので、やりやすかった点もありました。
あさちゃんも、毎年関わってくれるサポーターです
――(千明)8期の皆さんは特に、言語化能力が高かったですよね。
いちろうさん:地方から参加した立場で言えば、行くまでの時間考えるとオンラインははるかに効率的で有難かったです。最初のライブ感は大事なので、1回目を対面で行ったのは良かったと思います。他人と競ったりするのではなく、参加者それぞれの気づきや個性を高める場なので、リアルかオンラインかは関係ないのではないでしょうか。でも、講師は大変ですよね。
――コロナ渦が収まったらリアルで同窓会やりたいですね。どんなことに期待していますか?
いちろう:ライブだと話が脱線するのが面白いんですよね。それに期待したいです。
おがさん:うん、雑談したいかもね。やはり対話が非常に良かったので。同じテーマを話していても、色々な視点があることが分かって楽しかったので。
こーじ:集まりたい!!皆さんと直接会って、皆さんのストレングス・ファインダーを改めて確かめたいです。オンラインだと見えないことが分かりそう(笑)。8期の途中で僕がオンラインランチを提案、企画しましたが、あの時も雑談したいと思ったからなんですよ。
――(千明)みんなに同じメニューが届いて同じものを食べるのも良かったですよね。
こーじ:よーすけさんはひとりお酒飲んでたけど(笑)
まつかつ:この塾は終わってから伸びるんです。皆さんもそういう性質の人たちなので、 塾の期間にやったことをたまに意識してみて下さい。同じことを繰り返すのが一番いい、自己啓発の究極なんです。だから、次の9期にもぜひ関わってほしい。塾とご自身の取り組みを統合化することでさらに変わります。学び手から作り手になっていきましょう!
――(千明)卒業した瞬間から仲間ですから、これからも引き続きよろしくお願いします!この塾は、みんながみんなのサポーターですからね。サポーターのいっちー、あさちゃんからも一言お願いします。
イッチー:僕はいつも、塾は港だと言っています。9期が始まるということは、港が近づいているということ。日々の仕事や生活で燃料食糧が枯渇しているはずなので、ぜひ塾という港に羽を伸ばしに来てほしいですね。
あさちゃん:自分のプロジェクトマップは、塾が終了しても出来上がっていませんでした。今も学び続けています。復習のつもりで参加するのもいいと思います。OBとしての経験をシェアが、塾生の皆さんの気づきにつながります。ぜひ9期に来て下さい!
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