浅沼信幸さん(ニックネームは“あさちゃん”、“画伯”)は、ビルなど施設の管理や整備を行う会社に勤務している。これまで不動産会社を振り出しに二回転職したが、その過程で建物を造る立場から造られたものをメンテナンスする立場に変わった。そのおかげで、両方が分かる技能を身につけられたという。将来はビルコンサルタントなど、両方がわかるユニークさを生かす仕事をしたいと考えている。
浅沼さんはトップリーダー養成塾1期生(当時は「企画塾」)だが、「ぼくは塾を卒業していないんです」と言う。彼は1期終了後も、2期以降、毎回塾に経験者として関わり続けながら、自身もまた学びを発展させているからだ。
常にまつかつのセミナーを通して学び続ける浅沼さん。その熱意はどこから来るのだろうか?浅沼さんにとって、まつかつや彼を取り巻くOBのコミュニティーとは何だろうか?お話しを伺った。
マインドマップと出会いTL塾へ
浅沼さんは、まつかつの主宰する「フォトリーディング」という速読の講座に2009年12月に参加したことから、まつかつと知り合い、マインドマップと出会った。これが今に至るTL塾、さらにはまつかつと彼を取り巻くコミュニティーとの繋がりの始まりだった。
浅沼「マインドマップと出会って数年経ってから、私は2014年にマインドマップ プラクティショナー講座に参加しました。というのは、まつかつさんが、『僕はマインドマップの講座はこれを最後にします』と言ったことを知ったので、マインドマップの大家である彼から直接学ぶ機会を逃したくなかったのです」
浅沼さんには忘れられない言葉があるという。マインドマップ プラクティショナー取得直後に参加した塾の説明会。
- 「人生は企画だ」
- 「自分は自分という会社のCEOなのだ」
- 「自分の株式を自分で取り戻さなければならない」
人生の舵を自分で取ることが大切だと気付いたという浅沼さん。これがTL塾の前身である「企画塾」に参加を決めた動機となった。
「これでいいのかな?」から、「これで良かった」に人生の舵を切る
浅沼さん「最初に就職した会社では、学歴は文系でしたが夜間専門学校で建築を学び、仕事に生かしておりました。研鑽を積んだ学生時代でした」
「その後転職を経て仕事が安定し、家庭を持った40代の初め、私は自分のキャリアを改めて考えるようになりました。仕事にも収入にも不足はありませんでしたが、『これでいいのかな?』という気持ちが常にありました。」
「私は建物を造る側から使う側に転職したので、その両方の立場がわかることを強みにして何かしたいと思っていました。他界する親戚があったことも私の思考に影響を与えました。自分の人生の終わりを思い描いたとき、「『これで良かった』と思いたい」と思いました。ただそれが具体的に何であるかはわからないままでしたが、第二のキャリアを意識して再び勉強を始めました。」
「生涯現役」「人生100年時代、自分を教育しなおさねば!」--
浅沼さんは、そう思ったという。
学びは自分の中にある
TL塾に参加する以前の浅沼さんは、自分は何をしたいのか分からないでいたという。それが、塾に入って分かって来たのだそうです。
浅沼「といっても、すぐに分かったわけではありません。塾の期間である6ヶ月間、私は自分の理想が描けないでいました。それが、終わり頃になってやっと理想が描けたのです。それはいつも考えていることでした」
「TL塾に参加したのは直感です。この塾を知った時、これ!と思ったのです。とはいえ、6ヶ月間続く塾ですから、相応の費用がかかります。妻と相談し、彼女の賛成が得られたので塾に飛び込みました」
「思い返すと今に続くTL塾への熱意の原因は、個人にとっては低額とは言えない受講料を自分で払ったからだと思います。塾が始まった時、一分も無駄にできないと思いました。何かを得るまで学ぼうと思いました」
塾の参加者の中には、企業経営者やその後継者、自営業の方々も大勢います。浅沼さんは、普段滅多に会えないようなそういう人々と、数々のワークをこなしていくのですが、それは思考のシャワーを浴びているようなものだったと振り返ります。
「参加した人々は熱心で、塾は定時に終わることはまずなく、終了予定時間を越えて議論が続いたものでした。そのプロセスの中から、『学びは自分の中にある』と気付きました。『自分が塾で受け取ることが学びなのだ』と。その時私は自信を持っていい、ぶれてはいけないと思いました。そう思えるようになったこと自体が自分の成長でした」
塾を通して思考が深まり、自己理解が進んだ
浅沼「こうしてTL塾への参加を通して、自己理解が進み、自分が主体的になってきたと思います。『自分のゴールを意識しよう。ではそのゴールとは何か』を考えるようになって来ました。思考が深まったのです。まつかつさん作成の思考のモデルである16枚図をいつも参照したり、また『七つの習慣』(スティーブン・R・コヴィー著)の読書会を並行して続けて、それら全てを学びの糧にしました」
「同じ1期生の人々との出会いも、大きな財産になりました。TL塾の中に「画伯グループ」と名付けられた仲の良いグループができました。今でも毎朝このグループで「Good & New」を続けています」
「私の仕事は裾野が広いため、塾で知り合った人々ともよく話してみると仕事の繋がりのある人々が多いことに気づきました。また、TL塾に来ていた会社経営者の人々からは、企業トップとしての話を聴くことが出来ました。これも学びでした」
気がついたら講座主催チームの一員になっていた
浅沼さんは、TL塾1期が終わってからもずっと、「サポーター」として塾に参加しています。それはまだ、サポーターという名称ができる前からです。
浅沼「まつかつさんは塾のフォローアップ講座として「サロン」を作りましたが、そのファシリテーションをいつの間にか、まつかつさんに変わって自分が担当するようになりました。こうして、私は「聴く」側から「話す」側に役目を変えていきました」
「私は今、講座サポートでも同様のことをしています。まつかつさんは、講座をサポートするOBたちに、あれこれ指図をしません。何でも主体的にやらせて貰えます。だから、私のサポートする講座は自分にとってもスキルを試せる場所になっているのです」
「おかげで私は、ファシリテーションの練習を、まつかつさんの講座やその受講生たちのフォローアップで毎回行っているようなものです。まつかつさんの講座は、今の私にとって自分を育てるインキュベーターです。それを繰り返すから段々身についてくるのです」
こうして、気がついたらまつかつ主催する講座の運営チームの一員になっていたという浅沼さん。「TL塾では、もともと自分の持っていた素質がうまく引き出されたのではないかと思います」と話してくれました。
「・・・TL塾をまだ卒業していない」
浅沼さんは最後に、これからのご自身の学びについてこう話してくれた。
「私はコミュニケーションを使って、リーダーシップを発揮する人になりたいと思います。つまりクルマの車軸のように、多様な人々のチカラを上手に結び付けながら、目的の方向に持って行く人です」
「そういうリーダーになるために、私は学び続けて、少しづつ変化を続けたい、その変化を自分の身に付けていきたいと思います。そしてその結果、何かの役割が得られると良いと思います。これから学びたいことはまだまだ沢山あります」
TL塾をどんな人に薦めたい?
自分の生き方に悩む人に特に勧めたいと思います。これからは自分で考えて生きていかなければならない時代です。自分で考えたい人、自分の中にある何かを引き出したい人に勧めます。
その上、多様性、つまり色々な考え方の人がいることを認められる人、自分の失敗も認められる人が受講すると効果が大きいと思います。
(聞き手、執筆:栗崎由子/トップリーダー養成塾6期塾生)