あなたは「リーダーシップ」と聞いて、何を思い浮かべるだろうか?
チームをコントロールできるリーダーの姿?圧倒的指導力をもつカリスマ?
「セルフリーダーシップ」とは、これまでの他者や組織に対する「リーダー」という捉え方(パラダイム)を変化させ、まずは「自分自身へのリーダーシップ」をはかるところから始めるという実践法だ。
何事も変化していく時代において、まず自分自身の内面を見つめてみることの重要性は計りしれない。それとともに、自分自身、言うなれば「自分の命」を最大限活用することによって、周囲の状況を、さらには世界を変えていく力を身につけることができる、と松岡克政氏(以降、松岡氏)は言う。
自分の可能性を高める「真の豊かさ」を手に入れるための”非常識”な講座について、2回にわたり松岡氏に語ってもらう。
第二章 「全てはエネルギー量」さまざまなバックグラウンドの参加者が集い、期のカラーが生まれる
60時間かければ育つ人材をお預かりする。法人参加者は育成の「アウトソーシング」
今回は、「セルフリーダーシップ養成塾」にどんな方が参加されているか、についてお話ししたいと思います。過去の塾において「40代で変われるとは思っていなかった」との声をいただくことも少なくないように、参加者は30〜40代の方がほとんどです。さらに、その属性を法人からの参加者(以後法人参加者)と個人での参加者(個人参加者)に分けると、最近は法人参加者が増えています。
法人参加者で「初めて来た時に、壺でも売られるんじゃないかと思った」なんて言った人もいましたが、これは実は非常に大きな問題です。なぜかと言いますと、いまでこそ「マインドフルネス」などと呼びますが、既存のパラダイムでは企業にいて自分の内面を見つめることはある意味タブーなんです。
人と役割というものは分離されているのが普通ですから、自分の内面にアクセスしたことがないという人が圧倒的に多いのです。しかしこの塾では、自分の声に従った動きを大事にしていますので、戸惑いが生まれるのだと思います。
昨今では、会社としても自分の内面とキャリアとの結びつきを求めるようになってきた、という潮流もあると思います。けれども、上司自身がそういった育成をされていないために、部下をどう育てたらいいかわからない場面も多いのではないでしょうか。
私は法人のお客様には「60時間かければ能力があがる人はいませんか?」と聞きます。60時間預けてくれれば必ず伸ばしますよ、と。一緒に部下を育てるパートナーのような感覚ですね。メンバーの一人一人にこれほどの時間を割ける上司はそうはいないでしょう。60時間の育成をアウトソーシングしていただいているのです。
VUCAの時代、求められているのはレイバーではなく、ワーカーでもなく、プレイヤーです。役職に関係なく「セルフリーダーシップ」はもっているべき能力だと思っています。自分自身をちゃんと見つめ直して、自分の在り方を考えて、どう動くといいかを考えて、その状況や場面に応じたツールを使いこなせるようになる。チーム内でリーダーになる前に、まずは自分自身をコントロールする能力を身につけましょう。
また、上司からときどき報告をするように言われた、という話を塾生から聞きますが、私はこれはやめてもらうようにしています。会社と自分を一旦切り離し、全力で塾に集中して、自分を全開にできる、安心な環境をお約束します。(上司の方にも、そのことは事前に明確にお伝えするようにしています)
「私の人生はこんなはずじゃない」良質な現状否定を抱える個人参加者が塾の空気を変化させる
個人参加者の方、こちらはかなりマニアックな方がいらっしゃいます。ほとんどの方が、私が開催したなんらかのワークショップに参加したことがあり、なおかつ、かつてマインドマップやフォトリーディングを学んだものの、あまりうまくいっていないという思いを抱えています。
一度は挫折したのに、どうしてまた挑戦するのか。理由は人それぞれですが、やはり一度感じた可能性や、そのときの自分のエネルギーというものは簡単には忘れられないものだからではないでしょうか。自分の可能性を信じて、「私の人生はこんなはずじゃない」という前向きな現状否定ができている人たちだと思っています。
そんな個人参加者の真剣さと前のめりの姿勢に、法人参加者は毎回100%面喰らいます。法人参加者は上司等に言われて来ているわけですから、本気で来ている個人参加者に驚くところから初日は始まるんですね。
一方で、法人参加者は基礎力が高い方が多いので、気づくと一気に変わっていきます。そのエネルギーの掛け合わせで塾の雰囲気もどんどん変わっていきますので、重要な作用だと思っています。
「覚悟を決めて飛び込むこと」が新たな縁につながっていく
人が動くきっかけ、それは痛みか快楽だけです。そして、痛みには外的なものと内的なものがあり、外的なものは仕事の変化や職場など、内的なものは不快感やもう限界だ、という思いです。
そんな外的要因と内的要因が掛け合わさったとき、この塾に出会い、「変わりたい!」という思いが最大化するんじゃないでしょうか。もちろん人によっては、さらに「面白そう」という快楽が掛け合わさって来られる方もいます。
全ては掛け合わせのエネルギー量だと思っています。「来るしかない」と思った人々が縁でつながる。毎年、その期独自のカラーというものがありますが、それを活かしながらやっていきたいと思っています。
塾生OBも、6ヶ月前までは今のあなたと同じ気持ちだったはずです。6ヶ月後、OSトレーニングを経て成長していった体験を、ぜひ多くの人に伝えてください。
- 松岡克政(まつかつ)が語る、いまこそ、セルフリーダーシップで世の中を変えていくとき。【 前編は こちら 】
執筆/清水啓那