東京にある共創型コンサルティング会社「かたちえ」が「仕事」も「暮らし」も持続可能な形で発展的に「楽しく充実させたい」と願う人たちに向けた学びの場づくりとして続いてきた活動を「一般社団法人いろはこ」とし受け継ぎ、mindmap/マインドマップ、Udemy、経営マインドマップ、構造思考、組織学習、学習する組織、システム思考、ストレングスファインダー、フォトリーディング、トップリーダー養成塾など様々な講座・ワークショップ・セミナー情報など、クリエイティブな個人と組織を創出していく手助けになるためのブログです。

【SL塾卒業生勉強会】祝・ご出版!あなたがすぐに実践できるDXとは?

イトケンさんのお話、本日のこの場から生まれたまつかつのマップです
セルフリーダーシップ養成塾

㈱かたちえとの共催で開催しているセルフリーダーシップ養成塾。3月に第8期を終えて、今秋開講の第9期に向かおうとしている中、塾2期生(メタ企業塾)で宮城県内で戸建て住宅建築・リフォームを手掛ける㈱あいホーム代表取締役・伊藤謙さん(イトケンさん)が初の著書となる『DXで生産性最大化、少数精鋭で高収益! 地域№1工務店の「圧倒的に実践する」経営』(日本実業出版社)を出版されました。

イトケンさんの約10年にわたるDX経営の実践が凝縮された一冊。ご出版おめでとうございます!



イトケンさんからまつかつ&千明に出版のご報告をいただき(ご献本もありがとうございました!)、あれよあれよという間に卒業生コミュニティの間にも伝わると、*リーディング・ファシリテーターとして活躍する7期生の中崎倫子さん(りんちゃん)からの「読書会しませんか~?」の一声にイトケンさんもすっかりノリノリに(笑)。あれよあれよという間に読書会企画が立ち上がり、これは面白くなるに違いないというにおいを嗅ぎつけた!?卒業生たちがあっという間に集まり、4月25日日曜日の昼下がりに実現しました!

*リーディング・ファシリテーターは一般社団法人リードフォーアクションの認定資格です

読書会は「すぐに実践できるDXとは?」という問いを真ん中に据えて、りんちゃん&りんちゃんのリーディング・ファシリテーター仲間の佐藤裕郁さんによるナビゲーションで進んでいきました

きっかけは「デジタルの力」

著者のイトケンさんは塾生当時、将来の社長就任に向けて専務として会社運営に携わっていました。昨年5月に父親の前社長に代わって社長に就任して以降、コロナ禍の真っただ中にありながら受注高前年比130%増を達成。その成果をDX(デジタル・トランスフォーメーション)という切り口から紐解き、日本全国の同業他社、さらには日本の中小企業の変革につながればという思いから記されたのが本書です。

本書の出発点は、2011年3月11日の東日本大震災、さらにそれ以降の10年間でイトケンさんが実感した「デジタルの力」でした。読書会の中で、イトケンさんはこんな話をしてくれました。

「当時は徳島県内の同業他社の社長さんのかばん持ちとして、3か月の予定で営業の修行をさせてもらっていました。震災当日も社長と一緒に外出先で営業していたのですが、仙台空港が水につかる映像を見てこれはダメだと…。(中略)電話をかけてももちろんつながらず、現地に帰る交通手段も寸断されていた中で、SNSのMixi(ミクシィ)を通じて家族の安否や現地の情報を尋ねてみたところ、色々な情報が入ってくるようになり、家族の無事が確認できたり、車を貸してくれるという友人が現れたりしたのです。当時の経験から、ネットを使えば何とかなる実感を持てたのです」

「以降、復興へのチャレンジが始まったのですが、最初の1年間は約50人の社員とともに限られた手段で戦略もなくただ頑張っていたが、全然家を建てられませんでした。そこで、年間100棟の受注を200棟に増やせるよう、お客様情報などのエクセル管理から始めて施工体制を整えていきました。おかげで、いわゆる震災復興需要が終わっても受注があまり落ち込まずに済んだのです。そんなところでコロナに襲われたのでさすがにこのタイミングでの社長就任はないと思っていましたが、予定していた日に父はすっぱり退任しました(苦笑)。そこからがむしゃらに上半期を過ごし、おかげさまでコロナ禍でも130%の受注増を達成できました」

イトケンさんご自身は今回、16枚図やプロジェクトマップがどのように役立ったかについて塾の仲間に伝えることで塾に貢献したい、今やっていることの本質に気づきたいと今回の機会を作ってくれました

 

本書では、住宅展示場とお客様をZOOMで結ぶ「バーチャル展示場」や、YoutubeとInstagramでイトケン社長自らが就活生の皆さんに語りかけるライブ会社説明会を通じての採用など、コロナ禍でも事業と人材育成を発展させる数々のDXによる取り組みが紹介されています。

「今回、DXを自分なりに定義したいという思いもあって本を書きました。僕のDXの定義は『人を増やさず、利益を増やす』こと。本の中では、中小企業でもすぐにできる低コストで即結果が出る取り組みを紹介しています」

おすすめのDX導入法も教えていただきました!ITツールの選定は一番苦手な人でも使えるものを基準にしたそうです。イトケンの社員の皆さんへの愛情を感じるエピソードです

DX推進でも役立ったプロジェクトマップ

イトケンさんは、塾を卒業して以降も16枚図やプロジェクトマップを活用しながら会社運営のさまざまな局面で成果を上げていましたが、社内でのDXの推進でもプロジェクトマップが大いに役立ったと言います。

ITツールを導入する時には、必ずプロジェクトマップを書いています。ちょうどいいんですよ、プロジェクトマップって。ツールを導入する目的(ゴール)に始まって、組織内外のニーズや障壁(ネック)、注意すべきポイント、導入推進に必要なリソースが整理できるのです。20~30分で書いていますね

イトケンさんのお話、DXというテーマを受けて、参加した卒業生の皆さんからはさまざまなリアクションがありました。

「トランスフォーメーションの本質はラーニング、学び続けることでもあるかと。イトケンさんは塾で学んだことを拡大再生産していて素晴らしい。今度ぜひ、一日カバン持ちをさせて!」

「企画書をZOOM越しにお客様に見せながら作ったりしていて、今まで意識していなかったけれどもこれもDXなのかもしれないと気づいた。イトケンさんのように、もっと塾で学んだことに意識的になりたい」

「DXの話だったけれども、お客様や社員への愛と覚悟を感じた」

「お客様、社員、地域…。お役立ちの意味を改めて教えてもらった」

さらに、まつかつさんも

「ノウハウはすぐに効果が出るのでそれはそれでいいけど、この本からはそれ以上にイトケンさんからの魂を感じた」

というコメントとともに、マップもシェアしてくれました。

イトケンさんのお話、本日のこの場から生まれたまつかつのマップ。こちらもイトケンさんへの温かいまなざしを感じます

 

SL塾の学びもオープン&シェアでさらに進化へ

本書に書かれているイトケンさんによるDXの実践の数々は、これからの時代に私たちはどこに向かうべきなのかというトランスフォーメーションの本質を浮かび上がらせます。それは、DXによる省力化、低コスト化を通じて携わる人たちの能力が最大限に発揮される環境を整えると、事業を通じて地域のために、社会のために貢献できるようになる――ということです。

また、最近ではさまざまな業界や分野で全体のレベルアップのために情報やノウハウを積極的に共有し合うオープン&シェアに向かいつつあり、イトケンさんの取り組みにもまさに同じ方向性を感じます。業界を、さらには地域を越えて成果を共有して社会に貢献したいと願う”貢献のかたまり”イトケンさんのらしさが全開した今回の出版、そしてこの読書会だったと思います。

読書会の最後、イトケンさんからこんなメッセージがありました。

「塾で16枚図やプロジェクトマップを通じて得た『思考法』によって、ITツールの導入や出版につなげることができました。これからはこうした思考法をもっと広げていくことにも貢献したいです」

イトケンさん、ぜひお願いしますよ!!

SL塾で身につけた思考法とツールを最大限に活用して、出版という一つの大きな節目の成果を出されたイトケンさんの取り組みは、私たちにとっても非常に嬉しく、誇らしいです。これからはSL塾の輪を広げるだけでなく、こうした卒業生の皆さんの成果の共有、共創もさらに進めていきたいという思いを新たにしています。

まずは、社会状況が落ち着いたらイトケンさんの経営実践から学ぶ仙台ツアーからですね~。